能登路 

Written by 吟香

相方(優海)の出張に便乗して、3連休を能登でドライブ&温泉グルメを満喫してきました。バタバタで決まったので、宿は選択肢が少なかったのですが、台風一過の青空の下、延々続く海岸線と、思いのほか整備された立派な道路がドライブには気持ちよかったです能登、思ったより見所タップリで、再訪は必須です!!

初日の宿は和倉温泉...。
加賀屋を始め、近代的な大型温泉施設が立ち並ぶ一大温泉地ですが、我々の宿はその片隅にひっそり佇む大正ロマンの宿...
和倉温泉最古の数寄屋造りの宿らしい。(渡月庵)



宿の評価としては、5段階評価で雰囲気3.5、お風呂 3、お食事2.5 トータルで3ぐらいかな。

お部屋は普通の6畳+控えの間、バス・トイレは部屋には付いていません。
お食事はお食事処で。部屋は古いけれどそれなりに手入れはされている感じ。

欄間は年季を感じるけれど、元々それほど豪華な印象の設えではなく、仲居さんの印象含め、全体に庶民的で気取らない宿でした。





部屋の縁側の窓からの景色が、入り江と、橋を歩く人が見えるのがちょっと雰囲気があって、しかも外からもすごく見られるので、浴衣姿で窓際で文庫本なんかを読んでいると、明治の文豪気分を味わえます。





お食事は、大部屋のお食事処に行くと一部を除けば既に全部並べてあって、特筆すべきものはありませんでした。お酒も残念ながら清酒クラスのみ。



折角能登に来たのにちょっと勿体無かったかな。窓際で眺めは良かったけれど。
でも、ちょっといいお部屋に泊まれば印象は違うだろうし、外国人の方には受けるかも。

別棟の貸切風呂はオシャレでしたが、湯船が狭いしちょっと清掃が不十分。岩盤浴だけ楽しむといいかもしれません。




翌日はあまり予定を決めず、白米の千枚田は見たい...その他道中見れるものを見よう!!ぐらいのノリで出発。
でも、途中九十九湾ってどんなとこなのかチェックしたい...とか、何故か恋路海岸とかえんむすビーチとか、(もういいのでは?)

見附島〔軍艦島)とか、塩田とか、ガイドブックに載っているところを押さえつつ移動しているとどんどん時間が経っていく...。

でも、この地域の観光スポットは総じて人が少ないのに、よく手入れがされていて、こじんまりアットホームな観光地で、ついつい長居したくなります。

この日のおススメは軍艦島と珠洲焼館、あとは塩田見学かな。

軍艦島は、途中まで岩でできた道を渡って行くことが可能。
その道中がちょっと大変だけど楽しい。



珠洲焼きは、中世から作られていたという、釉薬を使わない、灰黒色の素朴な陶器ですが、珠洲焼会館というのが今年の3月、リニューアルされたらしく、通りすがりで入ったのですが、沢山の作家さんの作品が展示・販売されていて、とても素敵でした。
(ペアでコーヒーカップを購入!!)

あと、能登では昔ながらの揚げ浜式という製法で作った塩が今でも製造販売されており、塩田で見学や製塩体験までできるという、日本でも珍しいところだそうです。







この製法で作った塩はミネラル分が多く含まれ、味はまろやかで、しょっぱくないということで、お土産にも良いと思います。

珠洲製塩で食べた塩アイス(ジェラート)が、予想外に濃厚で美味しかった!!

珠洲製塩
http://www.suzuseien.jp/


そして千枚田。素晴らしい景観。解放感。清々しさ。



さて、
この日の宿は小松の近くまで戻って
辰口温泉の萬葉。結婚記念日ということもあり、ちょっと奮発してお料理の美味しい旅館を相方が予約してくれました。
2000坪の敷地に10部屋という、落ち着いた大人向けの宿です。
ネットで見ると、たがわ 龍泉閣という老舗大規模旅館の別館、という位置づけのようです。(行かなかったけど、そちらの露天風呂も利用できるみたい。)



この宿は、評価で言うと、雰囲気4、お風呂3.5、お料理4.8でトータル4.5ぐらいの感じ。

旅亭 萬葉http://www.ryotei-manyou.jp/


こちらは昭和66年に建設されたらしく、鉄筋2階建てのコンパクトな作り。
チェックインはロビーで、お抹茶と生菓子を頂きながらすませます。


Fの普通のお部屋に泊まりましたが、大浴場にも近く(同じフロア)お食事処は1Fでしたがアクセスが良く、ストレスがありませんでした。

廊下は畳敷きで、裸足でも気持ちがいい。

館内にはスロープもあって、バリアフリー対応もされているみたい。

特に広くは無いお部屋でしたが、ユニットバス付きで、アメニティもしっかりしているし、過不足無い感じでした。

お風呂は住宅地の中という立地のせいか、開放感は無かったですが、柔らかい塩泉。貸切風呂が広々していて、なかなか素敵でした。(空いていれば無料)

こちらの特筆すべきはやっぱりお食事!!
前日との落差が大きかったこともありますが、大満足でした。

掘りごたつの切ってある個室で頂きます。
食べ過ぎないように注意しようと思ったのですが、量は控えめながら、目にも楽しい美しい盛り付け、上品な味付けで、一品一品飽きさせず、最後まで美味しく食べ切ってしまいました。





















特に別途お願いしたのどぐろの塩焼きは箸を入れた瞬間からふわっふわの絶妙の焼加減と、したたる上品な脂、そして塩加減も抜群で、こんなに美味しい焼き魚を食べたのは初めてじゃないかというぐらいの出色の美味しさでした!!



記念日ということで、ちょっと良いシャンパンを事前連絡無しで持ち込ませていただいたのですが、その対応もとってもスマート。
塗りのワインバケツで氷水でしっかり冷やして下さり、オシャレなシャンパングラスも。(当然のように追加料金は無し)



記念に女将から輪島塗の夫婦箸まで頂いて、とても良い思い出になりました。

置いてあるお酒も、かなりコダワリのチョイスで、大吟醸だけでも2、3種類から選べました。
能登杜氏としてあまりにも有名な、農口尚彦さんが
醸されたという、農口という初めてみるお酒の大吟醸をいただきましたが、なかなか骨太で個性的な、美味しいお酒でした。

能登杜氏http://matome.naver.jp/odai/2139634319218808701

農口酒造http://www.noguchisyuzohonke.com/

サービスも煩くないが行き届いており、感じがいいし、年配の方にも美味しいもの好きな方にも、安心して薦められる良い宿だと思います。


さて、最終日の目的地は宮本菓子舗。

以前能登の物産展でたまたま購入した「さざえ最中」がすごくインパクトがあって忘れられず、今回能登に着いてから思い出したので、スマホ&ナビで調べて建具岩や巌門のある能登金剛のあたりまで車で戻ります。

千里浜(ちりはま)。
小松から能登半島の西側に入ったあたりで延々と続く砂浜なのですが、ここは砂の粒子が非常に細かいらしく、砂浜を普通の二輪駆動のノーマルタイヤで走れる、という、結構珍しいスポットになっています。ここは「なぎさドライブウェイ」。


しかし、砂浜、海、青空...最高ですね。

さて、その宮本菓子舗を目指すのですが、何も目印の無い、田んぼの中の道を車で進み、本当にこんなところにあるのだろうか...と不安になりつつの道中、・・・ちゃんとありました。



周辺は、この辺り特有の、立派な瓦屋根に黒い板張りの古い端正な住宅が建ち並ぶ一角で、歴史的建造物保護地域に指定したくなるぐらい。


宮本菓子舗http://togi.notohanto.net/shop/miyamoto/

この情報、既にかなり古くて、ご主人はもう90歳、さざえ最中は一個144円でした。

こちらの最中、立体的な造形のインパクトもさることながら、味も、小倉餡と、あおさ餡が二層になってみっちり詰まっていて、あおさ餡のまったりとした磯の風味が独特で、とても美味しいのです。





ご主人は、90歳とは思えないぐらい見かけもお話される様子も若々しくて、お誘いいただくままにお座敷に上がらせていただいて、美味しいお茶をいただきながらとても楽しくお話を伺ったのですが、戦前は戦闘機の製造に携わったり、色んな仕事をされたそうですが、昔から手先が器用で、戦後それを生かして何か仕事をしようと考えていた折に、海辺で見かけたさざえに着想を得て、試行錯誤の上、完成させたお菓子なんだとか。

お菓子屋さんも、中を覗かせていただくと、柱や襖や障子の桟や天井にまで、漆の塗られたさりげないけれど、とても贅沢な造りの、素敵なお宅でした。

その日の午前中に作られた最中は、我々が20個も買ったら売り切れてしまったそうな。

近くの道の駅にも卸していらっしゃるそうですが、たまに物産展等に頼まれて出す以外は、他では売っていないそうです。
賞味期限は6日間。

少しでも長く、お元気で美味しい御菓子を作り続けて頂きたいなぁと祈りつつ、お暇します。


宮本のご主人が「巌門を見たか?」とおっしゃったので、空港へ向かう途中、折角なので立ち寄ってから帰ることに。(安藤広重が描いた巌門の浮世絵がお宅に飾ってあった)

道中、景勝地に立ち寄りながら巌門を目指します。


思ったよりしっかりした観光地で、小さな遊覧船が出ているらしい。
なんだか雰囲気がカプリ島を思い出させる、自然の造形美をそのまま生かした、素朴で飾らない、とても気持ちのいい観光スポットでした。

階段を降りて巌門洞窟をくぐりぬけた先に、すごく綺麗な磯があって、そこから巌門の後ろ側が見れます。
本当は遊覧船に乗るともっとキレイに見えるんじゃないかしら。
でも、その磯でいつまでも水遊びしていたいような、とても気持ちのいい場所でした。





ここは絶対またゆっくり来よう!!と決心して巌門を後にしました。

全体に、お天気が素晴らしかったということもあるけれど(晴れ男の相方に感謝!!)、本当にに気持ちのいい、自然豊かで素敵な場所でした。

合歓の花が山のあちこちで満開になっていたり、お庭にはのうぜんかずらやたちあおいが綺麗に咲いていたり。
人も皆優しくて、日本も本当に、まだまだ知らない良いところが沢山あるなぁと実感しました。





海水浴も楽しそうなので、夏にまた来るのもいいけれど、ちょっと涼しくなった頃に再訪したいと思います。

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